現代人が着物を着ると動きが制限されるようで窮屈に感じますよね。でも着物はむしろ私たちの人間本来の身体の使い方をサポートしています。
着物を着ると動きが制限されると感じるのは、外にストレッチがかからないからです。
身体の「中」を使えなくなった現代人が着物を着てしゃがもうとすると、引っ掛かって全く下りれないか、(それを回避させるために)お尻が後ろに出すぎてひっくり返ってしまいます。これと全く同じことが陰ヨガの練習の中にも起きてきます。
陰ヨガの「陰」とは、身体の中のことです。
陰ヨガは新しいテクニックを必要とせず、私たちが元々持っている力にのみアプローチします。そのプロセスで肉体も精神もどれだけ余計な力を使っていたかが浮き彫りになります。本来の強い身体、楽な身体は多くの人が思っているものとは少し違うかもしれません。リラックスすることにさえ力を使ってしまう現代人は、緩め方すら分からなくなっています。
「陰ヨガは苦手」と言う人が多いですが、陰ヨガの動きは人間本来の自然な動きでしかないので、実際にはこれが身体に合わないという人はいません。ですが、外ばかり使ってきた現代人には理解しがたい部分もあるかと思います(自然からかけ離れた身体の使い方をしていれば当然このようなことは苦手に感じるはずですので、好みの問題もあると思います)。私たちは無意識のうちに身体もマインドもどんどん複雑にしてしまっています。本来の自由な身体は、長持ちする強い身体です。
その強さとは、弾力と、骨身に任せてシンプルに動けることだと思っています。それはプラスαの力やテクニックなんかではない、日本人が昔から大事にしてきた自然な身体の使い方、力の使い方です。
